すれ違い際にふっとさわやかな香りに思わず振り返った経験、ありませんか?
            逆に重くけだるい香り、いや、ニオイに眉間にしわをよせて振り返った経験も
            あるでしょう。

            香りに対する関心は、人間の歴史と共に古く、古代エチオピア中国、インドか
            ら日本に於いても、その名残を留める遺品も数多く、また色々な形で文献に記
            されています。1924年に行なわれた、カーター(Carter)によるツタンカ
            ーメン王遺跡の発掘物の中に、今尚香りを残している香物が有り、注目を浴び
            ました。
            日本では、平安朝の頃から中国より伝えられた香木を土台にした、香合わせか
            ら香道が発達して、宮中や上級武士の間で流行していました。
            蒸留法が発明される以前の香りの使われ方は、有香植物を乾燥させたものをそ
            のまま使用するか、獣脂や植物油に浸して用いていたと思われます。
            しかし何れにせよ高価な品物であったので、あくまでも一般大衆のものではあ
            りませんでした。

            歴史的に見ると香りの使われ方には二つの大きな流れが見えます。
            一つは、気になる匂いを消す、あるいはカバーして相手に不快感を起こさせな
            い形で、神仏の前で、香を焚いたり、オーデコロンで身体を洗ったり、芳香剤
            を使用したりするのもこれにあたります。
            もう一つの形は、自分を際立たせたり、性的魅力を増そうと用いる香水、媚薬
            の類がこれに入ります。
            従来化粧品や石鹸等に香りを付けたのは、これらの原材料の不快臭を消すこと
            と、香料の持つ防腐効果が大きな目的でした。
            しかし、最近では、原材料の精製度合いも良くなり、不快臭も少なくなった事
            と人々の香りに対する関心の高まりから、個性的な香りを求める傾向が強くな
            ってきました。



            香りのメカニズム
  
              香の水の4種類は全くの別ものです。服にたとえるなら、香水はイブニング
              ドレス、オーデパルファムやパルファムデトワレはアフタヌーンドレス、そ
              してオーデトワレは昼間の服で、オーデコロンは部屋着、といったところで
              しょう。
              1.パルファム(香水)・・・濃度 15〜25%
                                          持続時間 5〜7時間
                                          最も完成度の高い香りまろやかで、深みがあ
                                          りしかもゴージャス

              2.オーデパルファム・・・・濃度 10〜16%
                  パルファムドトワレ      持続時間 5時間前後
                  エスプリドゥパルファム  香水に近い完成度と豪華さをもつ、第2の香
                                          水。
                                          香水より手軽で、使いやすい
              
              3.オーデトワレ・・・・・・濃度 5〜10%
                                          持続時間 3〜4時間
                                          ソフトな香り
                                          昼間の香りづけに 香水の下地として
              4.オーデコロン・・・・・・濃度 3〜5%
                                          持続時間 1〜2時間
                                          最も軽い香り
                                          入浴後や気分転換などのリフレッシュにたっ
                                          ぷり
  
            すべての香りには3つの大きな習性があります。それは、毎日の香づけにも、
            また香りを様々に工夫して使う上でも、重要なポイントになるので、香りの癖
            を覚えてください。
            (1)下から上へ立ちのぼる。どんな匂いもじっとしておらず、静かに上へ上
                  へと立ちのぼっていきます。
                  だから、上半身よりも下半身に香りづけする方が効率的ということです

            (2)温められると、よく香る。つまり、体温の高い場所への香りづけが効果
                  的であり、また季節的にも冬より夏の方がよく香るわけです。

            (3)動かされると香りは広がる。
                  体の動きに合わせて、香りは華やかに広がります。
                  だから、脚や手首、髪などよく動く場所へつけるのがいいですね。


            素肌にじかにつけると、香りがわずかな体臭とも絡み合って、その人特有の深
            みのある香りに姿を変えるのは、もう言うまでもないことですが、体のどこに
            つけるかでも、香り方は大きく違ってきます。

            (1)静脈の上につけると香りが丸みを帯び、脈打つたびによく香る。
     
            (2)体毛が少ない腕や脚の内側につけると呼吸に合わせて香りが広がる。

            (3)服で隠れる部分の肌につけると、香りがやさしくなり、長持ちする。

            (4)毛皮やウールなどピュアな素材の服につけると、香りが深みを増し長持
                  ちする。


            香水を肌に直接つけるとシミになる、なんて話を聞いた事 ありませんか。
            正しくは、ムスク系などの重い香りの香水をつけて紫外線を受けた時、シミに
            なる心配がある、という事です。

            香りはまるで生きているかのようにデリケートで表情豊かなのです。
            天候にも微妙な変化を見せます。お天気の良い日は良い香りが広がり、湿度の
            低いカラッとした日は、香りに透明感が加わります。
            朝の空気に合わせて香りをコントロールしましょう。  

            すべての生物が生きるためにこそ、香りはあります。それは人間にとっても同
            じ事です。
            香りがもつ二つの偉大なる効果は、より素晴らしい人生を送る為の秘訣とも言
            えるものです。
 
            一つは、心を安らかにする鎮静作用で、気分が尖ってイライラする時、一瞬に
            して心をゆったりさせます。
            もう一つは高揚作用。逆に落ち込んだ心を明るく高揚させるのです。
            最近話題のアロマテラピー(芳香療法)というものですね。
            本格的なものだと、お香やポプリエッセンシャルオイルなどありますが、自分
            の落ち着く、大好きな香りならば、果物、石鹸、お茶など何でもアロマテラピ
            ーなのです。



            香りのルール

            1  香りは素肌に着る。 
                美しい香りを放つための基本は、素肌に着ること。なぜなら、香りは肌の
                上で命をもち肌と一緒に呼吸するからです。
                そして、時間と共に体臭と絡み合って、つける人特有の深みが出てきた時
                が香りの本領。
                下着をつける前に香りづけして、その香りを服でそっと覆ってみて下さい

            2  少しずつを、たくさんの場所に。
                質の良い香りをできるだけ長く持続させたいなら、一ヶ所にたくさんつけ
                るより、少しずつを数カ所に分けてつける方が効果的。
                まろやかな香りで全身を包みこむようにするのがコツです。

            3  適量を知る。 問題は適量です。
                その香りが最もドラマティックな表情になる量を知る事です。目安として
                は、香水やオーデパルファム、パルファムデトワレは点の状態で3〜5ヶ
                所、トワレは線の状態でやはり3〜5ヶ所。
                そしてコロンは面の状態で、全身にたっぷりとつけます。
                さらに、その香りをつねに意識しながら、香りが消えかかる前に香りの化
                粧直しをしましょう。

            4  指でつける時のコツ。
                ”点の状態で”とは、指で直接つける方法をいうのですが、香水ビンの口
                に中指を当ててビンを逆さまにして適量をとります。
                素肌に置いて、こすらずに軽くすり込むようにするのがコツ。
                適量とは、素肌が湿り気を帯びる程度のことです。
 
            5  アトマイザーを使う時のコツ。
                肌が敏感な人や肌を露出している時、服に香りづけをします。
                指でつけると、布にシミが残ってしまったりするので、布の裏からアトマ
                イザーを30センチほど離してスプレーします。
                余談ですが、脚が疲れたり、むくんだ時などは、オーデコロンやシャワー
                コロンなどの軽い香り(アルコールの多いもの)をストッキングの上から
                シュッシュッするとすっきりしますよ!

            6  いつ香りづけするか。重要なポイントです。
                つけたばかりの香りは尖った印象をあたえます。
                ある程度落ち着いてなじんでくるまでには最低30分はかかります。
                体臭と混じり合って独特のまるみが出てくるには2〜3時間もかかります
                せめて外出の30分前には香りづけを終えるようにしましょう。

            7  どこにつけるか。
                美しい香りを放つポイントをいくつかご紹介。
                1.耳のうしろ<紫外線を避けて>
                2.髪<毛先につけると動くたびに香ります。>
                3.二の腕の内側<体温が比較的高く、香りが広がりやすい>
                4.ひじの内側<よく動く所なので効率的。静脈の上に>
                5.手首<静脈の上に>
                6.指<タバコを吸う人で匂いが気になるなら>
                7.ももの内側<体温が高く、効率的>
                8.ひざの裏側<静脈の上に>
                9.脚<ストッキングの上から>
              10.足首の内側<歩くたびに香ります>
                逆に香りが直接鼻にツンとくる、鼻の下からデコルテ全体へのトライアン
                グルゾーンには香りづけしてはいけません。