第1巻 第7章
イザベル王妃がパリを追放されること

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サー・ディスペンサーの影響と王のかれへの愛情は日増しに強くなりました。かれは国中が驚くほど王への支配力を有していたのです。サー・ヒューの同意無しには宮廷ではなにもできませんでした。そして、かれは多くのイングランド人に対して、残酷で不正なふるまいをし、これにより非常に憎まれました。しかし、あえて苦情を申し立てたり、提出するようなものは一人としてなく、もしそうしたことがかれに感づかれたら、伯だろうとバロンだろうとサー・ヒューは逮捕させ、王権のもとに抜打ちで行わせました。かれが他人に感じていた疑いやかれが与えた憎悪は信じがたいものがありました。そして、国中の全バロンと心有る人々は耐えられないと感じ、サー・ヒューの不正で悪逆非道な振舞いにもはや我慢できなくなっていました。バロンたちは極秘に討議し、イングランド王妃に手紙を送り、戻ってきてもらうよう頼むことに決めました。なぜなら王女はパリに三年間いたからです。バロンたちは手紙を書き、もし王妃がどうにかして千人でも武装兵を集めることをもくろみ、王子と仲間たちをみなイングランド王国に連れてきてくれるなら、王妃の側に集結し、王妃と王子に対して君主の如く従うという内容でした。なぜならバロンたちは王の大きな無秩序と悪事に対して、もはや我慢ならず、そうした悪事はサー・ヒューとその郎党によって王に吹き込まれていたからです。

王妃はこの知らせを聞いて、極秘に弟シャルル王に相談しました。シャルル王はすすんで王妃の話しに耳を傾け、王妃を助け、望むだけの兵を貸し、必要なだけの金銀を貸すことで、王妃を強力に後押ししました。こうして、王妃は弟のもとを去ると居室に戻り、先に向けてできるだけの準備をしました。そして、王妃は極秘に、フランス中のバロンたちに助けを求めました。王妃はバロンたちのほとんどと同盟を結んでいて、バロンたちは自主的に協力し、そうしたバロンたちを王妃は頼りにしていました。そうして、王妃はやり取りをしているイングランドのバロンたちに極秘文書を送りました。

しかし、こうしたことはサー・ヒュー・ディスペンサーの目から秘密にしておくことはできませんでした。そして、時が経つにつれ、サー・ヒューはシャルル王に積極的に文書や贈り物、契約を送って、王を説得し、そのためにシャルル王は姉のイザベル王妃にきっぱりと有無を言わせず、自分はここに留まって、王妃の計画をあきらめることを告げました。王妃はこれを聞いて、まさに驚き、肝をつぶし、いまやシャルル王は反対する意向で、意志を覆すことも助けを求めることも不可能であることを悟りました。そして、王妃は王のもとを去り、悲しく悔やみながら、居室に戻りました。しかし王妃は計画を諦めず、弟の王は自分の言葉が無視されたことに腹を立てました。そして、王は追放刑に処して、何人たりとも姉の王妃を助けることも同行することも禁ずる触れを出しました。

第1巻 第7章 了



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"Froissart's Chronicles"
Edit and Translated by Jhon Jolliffe
HARVILL PRESS, LONDON
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