星の屑作戦のために2000




2000/02/13
・『ユダヤ陰謀説の正体』 松浦寛 ちくま新書 \660-

御茶ノ水の三省堂で見た瞬間、なんとなく目を背けたのですが、気になって手にとって、パラパラ内容をめくると、いわゆるアウシュビッツにガス室はなかったという記事を載せて廃刊になったマルコポーロ事件についての経緯とその後が詳細に書いてある本で、新書版にふさわしい内容が充実した良書でした。

マルコポーロは当時なんとなく立ち読みする雑誌のひとつで、問題の1995年2月号は、なかに載っていた有名人、信仰宗教入信リストほしさに買って、そのすぐあとに廃刊になったことを知って持っててよかったと実感した一冊ですが、いまや腐海にのまれてどこへやら。

マルコポーロ事件後、歴史修正の波は日本も襲って、文脈の都合のいいところをだけをとりあげて歴史を捏造する自由主義史観に政治家もマスコミも相乗りしている昨今ですが、その病根の原因がだいたいわかります。もしかすると、UFOとかオカルト関連もこの内容の類推からできるかもしれません。

竹内文書も紺碧の艦隊も登場するこの本、ただものではありません。

2000/06/19
 近場の古本屋は二日にいっぺんペースでのぞきます。

・『ゲームの博物誌』 増川宏一 宝島社 \980->\200-

 ヨーロッパ中世の人々はギャンブル狂いでした。

 この本では、伝統的ゲームを扱ってますが、マンカラというイスラーム圏のゲームが不思議。書いている人もよくわかってないんじゃないのかあという感じで、ゲーム盤を紹介するだけでどうやって遊ぶのかはわからない。たこ焼きの台を使って、くぼんだところに小石をいれて、陣地をとりあうゲームらしいんだけど。

・『新宗教の素敵な神々』 松沢呉一 マガジンハウス \750->\100-

社会科には同和問題という教材があり、寝た子を起こすなという論ときちんと教えよという二つの立場があります。千葉では前者なのですが、宗教も私立をのぞいて前者でしょう。それゆえ、ちょっとした勧誘で結構、信者は増えてしまうようです。

 街頭のてかざしのねーちゃんをからかうところから始まって、次々団体を訪ねるというスタイルなのですが、その本文よりもこの本が地下鉄サリンの直後に完成したことに意味があります。本文中での物見遊山の著者が、まさかを疑ってパニくっている様は、時代の一証言としてかなりリアルなものです。

・『世界の名著』 中公新書 \480->\130-

大人になる前に古典をいろいろ読んどかないとね。

2000/06/21
BOOK-OFFの値段のつけかたはデタラメだけど、おかげで掘り出し物があるから夜中になるとついつい出かけてしまうと、オレンジページのコラムに林望が書いていたのですが、本当にそうなので笑ってしまいます。定価\4800-の『詐欺とペテンの大百科』が\100-のときは衝撃だったなあ。雨が降っていたので買わなかったら案の定翌日なくなってましたが。

・『徳川慶喜』 中公新書 \720->\100-

松戸戸定博物館の影響。単純だなあ。

・『エビと日本人』 岩波新書 \480->\100-

日本人はエビを食いまくるけど、そのエビは東南アジアからの輸入。しかもただ輸入というだけでなく、マングローブを切り開いたりして養殖場を現地に作って成り立っているらしい。その結果、東南アジアの自然は破壊され、海洋資源もなくなり、東南アジアの大きな問題になっているという内容。エビだけじゃなさそう。

・『アウグスティヌス』 世界の名著16 中央公論社 \1500->\100-

 世界の名著はすばらしい。高度経済成長期の百科全書ブームの産物なんだろうけど、箱入りもあれば、手軽な文庫版もあり、探していれば確実に破格で読める。

 アウグスティヌスは西ローマ帝国の滅亡に立ち会ったキリスト教の神学者。『神の国』で中世のキリスト教思想界を征服した。これに収録されているのは、『告白録』。わしもむかしは結構むちゃしたもんだという内容なのかなあ。わからないから読む。

・『地中海文化の旅(2)』 地中海学会編 河出書房新社 \650->\100-

1があるらしいけど、みつからず。本屋に行けばあるかなあ。地中海に面した都市についてミニコラムがたくさん載っている。ネタになるかな。

2000/06/25
 むかしは神保町で一番好きな本屋は南海堂だったのですが、最近は小宮山。南海堂のカチッとして見やすいジャンルわけはとてもすばらしいのですが、やはり古本は漁ってなんぼ。小宮山の腐海は宝の山です。

・『フシーテン運動の研究』 山中謙二著 聖文社 \5000->\6800-

 いま、もっぱらウィクリフ研究に没頭しているわたしにとって、フスは宗教対立を知った出会いの人物。皇帝ジギスムントを信じてコンスタンツ公会議にやってきたフスは皇帝の保証もむなしく捕らえられ、焚刑に。しかし、その炎はチェコ住民の怒りを焚き付け、東欧世界を巻き込んだ大戦争に発展するのでした。

こうしたエピソードは有名で、ではさらに知ろうとおもってもなかなか近づけない人物だったのですが、最近、新刊でフス本が出て知名度がアップでしょう。この本は日本におけるフス研究の底本にあたるもので、本当に貴重な貴重な本で、これを手に入れられたことは本当に素敵なことなのです。

・『世界の戦争5 中世と騎士の戦争』 木村尚三郎編 講談社 \1300->\700-

 カール大帝も十字軍も百年戦争もこれ一冊でオッケーっというすばらしい本。十字軍は橋口倫介氏、百年戦争は堀越孝一氏、ジャンヌ・ダルクは高山一彦氏というこれを買わずして何を買うというお得な一冊。古本屋でもめったに出ないのでみたら速攻買いですよ、奥さん。


1996版
1997版
1998版
2002版

参考になれば