ロシア旅行記・4日目(6月17日) その2

モスクワ市歴史博物館

イヴァン・フョードロフ像

考古学博物館から出た後、革命広場の方へ行って、有名レストラン「ゴドゥノフ」のある古い城壁の下を通ります。「ゴドゥノフ」はかつてクレムリンから伸びていた城壁の残りの一部を利用して作られています。そこを出るとニコリスカヤ通りという通りに出ますが、そこを北東方向に行き、途中で左に曲がります。グッチとかの高級服飾店が集まる一角を通ってテアトラリヌイ通りに出て今度は右に曲がって少し行くと、右手にイヴァン・フョードロフの銅像が立っています。
16世紀の印刷工、イヴァン・フョードロフは1564年にスラヴ語の活字で『使徒行伝』を印刷し、販売しました。これが筆写から印刷への転機となります。
イヴァン・フョードロフの銅像が立っているのはフェラーリのお店の前のスペースですが、そこにはトロイツア教会の遺跡もあります。

トロイツア教会跡

フョードロフ像の隣にあるのがこのトロイツア教会の遺跡で、基礎部分だけが残っています。奥に見えるお店の背後にかつての城壁がありました。つまりこの教会はクレムリンの城壁の外のすぐ側にあったわけです。
教会の地下には石棺が安置されていたらしく、それがそのまま置いてありました。

ジェーツキー・ミール

フョードロフ像のある場所からテアトラリヌイ通りの向かい側にあるのが「子供の世界」という名前の百貨店。内部は巨大なおもちゃ屋になっています。
1階の一部は児童向け中心の本屋になっていて面白い本がたくさんあります。ここでは数冊の本を買いました。他にもはお菓子売り場などもあります。
2階にはミニカーやボードゲーム、子供用スポーツ用品や子供服といったものも売られています。また、ロシア製はもちろんのことイタリア製などのプラモデルも充実していました。
とにかくロシア人は子供を大事にするようで、街中でも小奇麗にした子供をよくみかけました。
ちなみにこのお店の出入口には万引き防止用のセンサーがあり警備員が立ってます。レシートの確認があるので、買った後もレシートを無くさないようにしましょう。
このお店にはもう一度来ます。

旧KGB本部

かつてのKGB(国家保安委員会)の本部だったビル。現在はその後継組織である連邦保安庁(FSB)のビルになってるはず。この手前の広場がルビヤンカ広場です(ソ連時代ジェルジンスキー広場と改名されていましたが、1991年に再びルビヤンカ広場となりました。KGBの異名が「ルビヤンカ」なのはルビヤンカ広場にあるからです)。このビルは1946年、A・シューセフの設計で建設されました。4階建てのビルはこの区画まるまるがビルになってるので奥行きがあります。日本では秘密警察のイメージが強いので、威圧的な暗い感じのビルを想像してましたが、パステル色の外壁だったので意外でした。

総合技術博物館(工業技術博物館)

ルビヤンカ広場から南東方向に伸びる2本の通り(ノヴァーヤ広場というらしい)に挟まれた区画に建つ細長い建物が、ロシア・ソ連の技術が生みだした製品を集めた総合技術博物館になっています。残念ながら入りませんでしたが、今度は入ってみたいものです。
下の写真は博物館の中央正面の部分。

モスクワ市歴史博物館

モスクワに関する知識に詳しかった19世紀の人が開いたモスクワ市専門の歴史博物館。クレムリンに隣接した「国立歴史博物館」とは別物です。もともとは教会だった建物の2階が常設展示、1階が特設展示になっています。常設展示はもちろんモスクワの歴史に関するもので、回廊状の部屋の中に生活用品、衣装、武具、農具、絵画などがあります。当時の様子を再現した人形や、遺骨から復元した有名な君主の胸像が、薄暗い室内でなかなか良い雰囲気を出しています。
この写真の中央の茶色と白の建物が博物館です。
下の銅像はモスクワの生き字引ともいわれた人で、この博物館の創設者。
中に入ると左に土産物屋、右にチケット売り場があります。

ヴャチチ族の男性の像

まず2階の常設展示の方から見ることにしました。2階に上がって部屋に入ると、目の前にヴャチチ族の男性の像が。
ヴャチチ族は中世ロシア史に出てくるスラヴ系を主体とした部族連合。これはヴャチチ族の男性を、発掘された骨から復元した像です。

クリヴィチ族とヴャチチ族の勢力範囲

11世紀から13世紀のクリヴィチ族とヴャチチ族の勢力範囲を示した地図。緑の斜線部がクリヴィチで、赤い斜線部がヴャチチ。

こめかみ飾り(?)

考古学博物館にあったこめかみ飾りの装飾品と似てますが、同じ目的の品かどうかは不明。

槍の穂先

発掘されたものと思われる槍の穂先がありました。

心疣

盾の中央部にとりつける拳を守るための突起を心疣(しんゆう)というらしいのですが、これはその発掘品(だと思います)。

等身大人形

このモスクワ市歴史博物館は等身大人形を使った当時の様子の再現がいくつかあります。
2番目のは室内の様子。一番下のものは井戸から水を汲む女性。

ろくろを回す男性

壺作りの男性がろくろを回す様子を再現したものです。
この博物館内部は照明が暗く、フラッシュをたかないとうまく撮影できません。上の写真はフラッシュ無しで撮影したもの(拡大画像はありません)。怪しい雰囲気が出てます。

ソリのイラスト

昔の本の挿し絵を拡大して説明に使っているパネルがいくつかありましたが、これは昔のソリ。スキーで移動している人物も見えます。

民家のディオラマ

民家の家の再現だと思いますが、これはある程度裕福な家かもしれません。

昔の民家の屋根

笹の葉状にした木の板をこのように重ね合わせて屋根にしたようです。

農民の服装

ロシアの農民の姿のイラストがついていたので、農民の服装なんだと思います。帽子や指輪、帯やナイフのケースなどがあります。

農家の様子

ロシアの農家の様子を描いたもののようですが、そのだらしのなさを強調した絵のようです。

吊るす容器

考古学博物館にあった容器と口が二つあるところが似ています。このように吊るし、どちら側からでも注ぐことが出来るようになっていたのでしょう。よく見ると口になっている部分の動物が右が犬かなにかで、左が羊らしいです。

裁縫道具

鋏は現代のものと基本的にかわらない作り。布が荒い糸で縫われているようですが、針も太いです。
下の写真は針を作るための鋳型。同時に何本か作れるようになっていたみたいです。

色々な道具

金づちの頭の部分や鍬らしきもの、鍛冶屋が使うのか、熱いものを掴むための道具などがありました。

まきびし

馬や人の移動を妨げるためのまきびしです。記憶が正しければロシアでは「タマネギ」という意味の名前で呼ばれていたかと思います。

燧石を使ったマスケット銃の着火装置

火縄銃は火をつけた縄を使って火薬に点火し弾丸を発射するものですが、時代が下ると燧石によって火花を出し、それによって点火するものが出てきます。はじめは燧石の付いた打ち金と、燧石が当たるための当たり金、そして火蓋が別々のスナップハンス式のものが作られ、次に当たり金と火蓋が一体となっていて打ち金が叩くと同時に火蓋が開くフリントロック式のものが作られます。写真の装置がどちらのものかは判別がつきません。

武器各種

槍の穂先の他に、斧やメイスの先の部分があります。

上の写真のものは、たぶんサーコートのような頭巾状のものを着た後に被るものだと思います。
下の兜は西欧風なのでもしかしたら輸入品かもしれません。

武器屋

人形を使って再現するものの中に武器屋がありました。少々表現の仕方が稚拙ですが。
ところで、信じられないことにここで使っていたデジカメのメモリが切れてしまいました。まだ観光して3日目です。256MBのメモリを2枚持っていったのですが、はじめは高解像度で撮影しすぎてしまったようです。この後は画質を半分に落とし撮影しまいた。

棹状武器

武器屋の再現の中で背後に並べられているのがさまざまな棹状武器です。新紀元社の武器関連の本を読んでいる人ならお馴染の品々。上の写真に三つ並んでいるのが、「バルディチェ」と呼ばれるロシア独特の武器。16世紀から18世紀まで使用されました。刃先の部分が広く、二ケ所で柄に固定されているのが特徴的です。

赤の広場の絵画

赤の広場の昔の風景を描いた有名な絵が博物館内に飾ってあります。

男性の像

誰だか忘れましたが男性の像。

文字が刻まれた鐘

どこかの教会で使われていたと思われる鐘です。表面に字がびっしりと書かれています。

鳥脚型の脚を持つロウソク立て

ガラスケースにフラッシュが反射して少し見にくくなっていますが、ロウソク立てです。3本の脚がなんとなくカッコイイ。でも、これってロウソクから垂れるロウは下に落ちちゃう?

クレムリンのディオラマ

またもあるクレムリンのディオラマ。今度のは前のより小さめのもの。これで見ると城壁の門は、合計3本の塔によって守られています。

犁(?)

いまいちこれが何なのか思い出せませんが、牛や馬に引かせて畑を耕す道具なのでは。

アンドレイ・ボゴリュプスキー像

この胸像はゲラシモフという人が、本物の遺骨から復元したアンドレイ・ボゴリュプスキーの胸像です。アンドレイ・ボゴリュープスキーは12世紀のウラジーミル・スズダリ公で、父親はこのモスクワのクレムリンをはじめて建設したユーリー・ドルゴルーキー。当然、アンドレイ・ボゴリュプスキーの領土にはモスクワも含まれました。
詳しくは用語事典の「アンドレイ・ボゴリュプスキー」の項目へ。

イヴァン雷帝の胸像

これも本物の遺骨から復元したイヴァン雷帝(位1530〜1584年)の胸像です。するどい目つきと尖った鷲鼻の厳めしい顔は迫力満点。ゲラシモフは他にもティムールやヤロスラフ1世の復元像を作っています。

フョードル・イヴァノヴィチ帝の頭部の像

これはイヴァン雷帝の息子フョードルの頭部の復元像です。光の具合で不気味になってしまいました。
ちなみにこのフョードルの兄イヴァンは、父親であるイヴァン雷帝によって殴り殺されています。だからこの男が皇帝になれました。