2005年9月4日訪問。この日はちょうど「モスクワの日」(毎年9月の第1日曜)にあたっていたため、特別なイベントがいくつも行なわれていた。
ВВЦ(ヴェーヴェーツェー)とは「全ロシア展示会場」の頭文字であり、かつてはВДНХ(ヴェーデンハー)すなわち「国民経済達成博覧会」と呼ばれていたものである。元来、ソ連が様々な経済分野で収めた「達成」を展示するため1939年にモスクワで実施した博覧会の会場であったが、その後も恒常的な展示施設として残された(ただしパヴィリオンの大半は1950年代製)。仰々しくも壮大なスターリン様式の建築群は、「地上の楽園」ソヴィエトのイメージを大々的かつ分かりやすい形で具現化するものとなっており、劇場国家・ソ連を代表する舞台装置の1つであった。
一方、ソ連崩壊と共にВДНХはそのプロパガンダ機能を失い、広大な敷地は単なる遊園地や市場、ショッピングセンターとして利用されることになった。しかし、モスクワ市内の他の場所で市場や大型スーパーの存在が珍しくなくなった現在、ВВЦを再び博覧会専門の施設に改装しようとの動きが出てきているようだ。この点においても、ロシア現代史を象徴する施設だと言えるだろう。
ちなみに、本物のВВЦは馬鹿みたいに広く、ゆっくり見て回ったら丸一日かけても足りないかもしれない。ここで紹介しているのはほんの一部であることをあらかじめお断りしておく。
この巨大な凱旋門をくぐって敷地内に入る。入り口からして見る者を驚かせようという魂胆がありあり。
「モスクワの日」特別企画の一環か、門前ではモスゴルトランス(モスクワ市交通局)による展示会が行なわれていたので、寄って見ていく。モスクワで使われた古今の乗り物を回顧するのが展示の主旨であるらしい。これなどはいかにも昔の高級車、というスタイルの逸品。
こちらは昔のバス。何とも愛嬌のある顔立ちをしている。
ZIS(スターリン記念自動車工場)で1953年に生産された燃料輸送車。よく分からんがレアな感じだ。
こちらはMAZ(ミンスク自動車工場)のトラック。おそらく、野牛のエンブレムマークがこの工場のシンボルなのだろう。
(05.10.02更新)