今回はちょっと趣向を変えて、ロシアの伝統的な祭日をご紹介したい。
ロシア正教では、パスハ(復活大祭)の前の7週間はヴェリーキー・ポストと呼ばれる精進の期間にあたっているのだが、そのポストのもう1つ前の一週間がマースレニツァである。もともと、春を迎えるお祭りとして古くから祝われていたものが、後にキリスト教と融合して宗教的な意味を持つようになったとも言われている。
ヴェリーキー・ポストの期間中は、肉や卵、乳製品を一切口にしてはならないので、それに先立つマースレニツァで人々は盛大に飲み食いして精進に備える。また、マースレニツァでは陽気に歌い踊り、様々な遊戯を楽しむのがしきたりであった。現在では、ポストの精進を厳格に守る人は多くないようだが、マースレニツァの方は春を迎えるお祭りとして祝う風習が残っている(もっともソ連時代にどうであったかは分からない)。
今年2005年のマースレニツァは3月の7日から13日まで続いた。そして最終日の13日日曜、モスクワ郊外で行なわれた締めくくりのお祭りに誘われて行ってきたので、その様子をレポートしてみたい。これはモスクワ市がプロデュースしたもので、他にもいくつかの会場で同じようなお祭りが行なわれていたようである。
モスクワから北へおよそ60キロにあるセムホーズ駅がスタート地点。郊外によくあるちっぽけな無人駅だが、この日はお祭りの会場の最寄り駅ということで人が溢れた。なお、ここに写っている東洋人の集団は、我々を誘ってくれたベトナム人のグループである。
森へ入り、ひたすら会場を目指す。ご覧の通り雪が深く、難行軍を強いられた。たっぷり40分は歩いたと思う。
別の方面からも祭に参加せんとする人々がやって来る。雪原の直中を歩むその様は、あたかも退却するナポレオン軍の如し。
目的地近くの森の中には、このようにたくさんのテントが張ってある。どうやら、マースレニツァを祝うため泊まり掛けで来ている連中がいるらしい。祭を楽しむためのロシア人の情熱には驚くばかりである。
ちょっと分かり辛いが、祭の会場の入り口には雪によって門がこしらえてある。マースレニツァは陽気に浮かれ騒ぐのが伝統ということで、歌ったり踊ったりしながらでないと中に入れてくれない。
(05.03.20更新)