
船はフォンタンカ川を進む。右手に見える公園は「夏の庭園」で、クリーム色の宮殿がピョートル大帝の「夏の宮殿」である。万事につけ質素なライフスタイルを好んだピョートルは、夏の間はこの小さな館で暮らしていた。

フォンタンカの岸辺にはクラシックな美しい建物が並んでいる。ちなみにマイクを握っているおっちゃんがガイドさんだが、客の呼び込みから何から全て1人でやっていて、よく喉がもつものだと感心する。

前方にミハイロフスキー城が見えてきた。この城は皇帝パーヴェル1世の居城として設計されたが、陰謀と暗殺を極度に恐れていたパーヴェルは城の周りに堀をめぐらし、他にも自身の安全を守るため様々な仕掛けを作らせたという。その甲斐もなく、パーヴェルはまさにこの城の中で殺されてしまうのだが…

パーヴェルの没後、城は工兵学校として利用され、若き日のドストエフスキーもここで学んでいる。

ガイドの背後に見えるのはキリスト復活聖堂、通称「血の上の救世主聖堂」。皇帝アレクサンドル2世がテロリストの爆弾で致命傷を負った場所に建てられている。つまり、パーヴェル1世とアレクサンドル2世という2人の君主が命を失った場所は、意外なほど近くに位置しているというわけだ。
(06.09.15更新)