ロシア歴史紀行アルバム74-1

ガガーリン広場


 2006年9月28日訪問。
 モスクワ市内の南西部、レーニンスキー大通りとコスィギン通り、十月革命60周年大通りの3つの交差点に位置する広場である。「広場」といっても自動車道によって占められる部分が多く、人がたくさん集まることのできるような空間ではない。1968年、訓練飛行中の事故により亡くなった人類初の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリンを記念してこの名を与えられた。
 何故ガガーリン広場を散策してみようなどという気になったのか?それは、この広場が(今は亡き)ソ連の面影を濃厚に留めている空間だからなのである。実に強烈な印象を与える巨大なガガーリン像、ソヴィエト的な未来イメージを結集させた科学アカデミーの建物、それに重厚壮大なスターリン建築のビルなど、興味深いモニュメントの数々を目にすることができる。
 もう1つ、この広場を通っているレーニンスキー大通り自体にも注目しないわけにはいかない。レーニンスキー大通りは、モスクワ郊外のヴヌコヴォ空港から都心にまで至る長大な幹線道路で、ソ連時代にはヴヌコヴォに降り立った外国の要人をクレムリンまで送り届ける重要な役割りを果たしていた。つまりは、国賓にソ連の輝ける首都・モスクワを印象づける、「見せる道路」でなければならなかったのだ。その痕跡は、ソ連崩壊後の現在も鮮やかに残っている。そして、ガガーリン広場はレーニンスキー大通りが都心部に入る玄関口の位置にあたっており、特にモニュメンタルな建築物で飾られているのも不思議ではないわけだ。


レーニンスキー大通り。道の左端、見事に高さをそろえたアパートに注目。視覚的な効果は抜群で、いかにもソ連らしいはったりの利かせ方ではあると思う。


単に高さを整えているばかりでなく、アーチなどを用いた装飾もなかなかのものだ。


トロリーバス後部の窓より。ガラスが汚いのが難だが、建物の高さの見事な統一感はお分かりいただけると思う。それから、横断歩道を渡る人々は、停車した車の前を通過しようとしているわけではない。疾走する車の合間を縫って道を渡っているのだ。この辺りの「安全感覚」は、やはり日本とロシアとでは大きく違うのだろう。


ガガーリン広場。


左手にはロシア科学アカデミーの本部ビルが見える。

(06.10.30更新)


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