2006年10月26日訪問。
モスクワから東およそ40キロの地点に位置する小都市・モニノは、ソヴィエト空軍揺籃の地の1つとして名高い土地である。1920年代、本格的な航空戦力の増強に乗り出したソ連軍当局は、それまで沼地に囲まれた野原と森が広がるばかりであったモニノに目をつけ、大がかりな工事の末、1932年には爆撃機の発着する滑走路が完成した。また40年代には、この飛行場をベースとして空軍アカデミーが立ち上げられている(後に「ガガーリン記念空軍アカデミー」と改称)。しかし、戦後になって航空機の性能が飛躍的に向上すると、モニノ飛行場の滑走路は手狭となったため1956年に閉鎖。その跡地を利用して、ソ連空軍の歴史と栄光を称える中央空軍博物館が開かれたのは1958年のことであった。
我々が訪問した時には、残念ながら博物館の屋内ホールは大規模な改装作業の最中であり、屋外の展示物だけしか見学できなかった。それでも、帝政ロシア末期から現代に至る様々な世代の軍用機やヘリコプターなどが並べられていて、極めて見応えがあった。自分のような非マニアにとっても面白かったのだから、ソ連機に造詣の深い方々であればたまらない博物館であろうと思う。
※尚、この博物館は国防省に直属する施設であり、外国人が自由に出入りすることはできない。必ず事前に博物館へ連絡して許可をもらう必要がある(手続き自体は簡単であったが)。我々は正式に許可を得て行ったのだが、それでも博物館と地元の警察当局との連絡不十分により余計な取り調べを受ける騒ぎがあり、知らずに紛れ込んだらかなりの面倒ごとを引き起こす結果になるかもしれない。必ずや事前に許可を得るか、あるいは旅行代理店などに相談することをお勧めする。博物館の連絡先はこちらの公式サイトにて。

モニノ空軍博物館・屋外展示コーナーの光景。ソ連/ロシアの航空史を飾った様々な機体(そのほとんどは軍用機)が所狭しと並んでいる。

入り口から見て右手のゾーンに並んでいるのがツポレフ設計局の爆撃機群である。これはアメリカのB-29をコピーしたTu-4で、戦後のソヴィエト戦略爆撃機の基礎となった。

ソ連初の長距離ジェット爆撃機Tu-16。ちなみに、我々を案内してくれた博物館の係員は空軍を退役した元パイロットで、昔はこのような長距離爆撃機で航法士を務めていたのだそうだ。

超音速爆撃機Tu-22M。

こちらもTu-16。翼下にミサイルを装備している。
(06.12.17更新)