古文書用語集 あ行
あ
【亜】あ:次位、次ぐ。亜相、亜将は大納言・近衛中少将を指す
【相綺】あいいろう:干渉する・関与する
【相構】あいかまえて:「構えて」を強めた語
【相図】あいず:約束
【朝所】あいたんどころ:太政官にあって政務を行う所=朝政所
【あか事】あかごと:火事
【県召】あがためし:春の県召の除目。地方官
【白地・苟且】あからさま:明白・赤裸々・かりそめ・ちょっと・しばらく
【白風】あきかぜ:秋風
【悪客】あくかく:酒の呑めない人
【幄屋】あくのや:公事の儀などに庭上に設ける仮屋、あばげり
【上所】あげどころ:手紙などを差し出す相手の名あて
【上分】あげぶん:年貢として上納する米
【挙申】あげもうす:推挙する
【吾子】あこ:小児の自称
【朝更】あさぼらけ:朝、おぼろに明けてくること
【浅猿・浅増】あさまし:驚嘆・興醒めする・あさましく思う
【朝旦】あさまだき:夜の明けきらぬ頃、未明
【足白】あししろ:足軽
【汗】あせ:血の忌詞
【阿党】あとう:あだ・報復・敵対すること
【他言】あだごと:ほかの人にもらす事、次条をもいう
【佗言】あだごと:実のないことば・かりそめの言葉・虚言
【可惜】あたら:惜しくも・あったら
【不能】あたわず:できない
【充行・宛行】あておこなう・あてがう:所領などを与えること
【充文・宛文】あてぶみ:ある人にあてた文書・所領などを充行うときの文書
【充催】あてもよおす:雑事課役などを割り当て徴収すること
【跡】あと:跡職の略・遺領
【跡職・跡式】あとしき:家督・遺領
【跡目】あとめ:家督
【案内】あない:あんないの略・事物の内容・事情・公の控書・前例・先格
【穴賢】あなかしこ:あなかしくと同じ・おそれ多い・書状の書止めの言葉
【強】あながち:むりに・しいて
【剩】あまつさえ:それに加えて
【天山】あめやま:大いに・甚だ
【操】あやつる:交渉する・取計らう
【粗々】あらあら:ざっと・おおよそ
【雑兵・荒子】あらこ:小者
【有増・荒猿】あらまし:概略・大方
【阿良々岐】あららぎ:塔の忌詞
【有若亡】ありてなきがごとし:ひどい・つまらない・意味がない
【分野】ありさま:有様、僧の隠語
【吐嗟】あわや:事の起きらんとするときに発する声
【案主】あんじゅ・あんず:院司・家司に属した御廚別当の下役・摂関家などの政所で家事や文案・記録を掌る役
【案上】あんじょう:机の上
【案中】あんちゅう:期待通り・思った通り
【安堵】あんど:所領等の所有権を確認してもらう事
【塩梅】あんばい:身体の工合い、適当に処理すること
【案文】あんもん:文書の写し
い
【依違】いい:違犯すること
【無云甲斐】いいがいなし:いうだけの価値がない・ふがいない・意気地がない
【有若亡】いうじゃくぼう:生きていてもほとんど死人に同じ
【莫言】いうなかれ:いうなかれ
【違越】いおつ:規則をやぶり法にそむくこと
【何様】いかさま:どのように・いかにも
【争】いかで:どうして・いかにして
【威儀】いぎ:重々しい装い、作法に適った振舞い
【以下・巳下】いげ:これから下
【生口】いけくち:証人
【違期】いご:期限に間に合わないこと
【一向】いこう:まったく・非常に・むしろ
【去来々々】いざいざ:誘う詞
【何方】いずかた:どちら
【就地】いずち:何方
【以次】いし:次の位、つぎつぎ、また「ついでをもって」とも
【称唯】いしょう:字を逆読みするのは譲位と音が近い為。公事の儀式の際、貴人から呼ばれた折りの「おお」という返辞
【何方】いずかた:どちら
【焉】いずくんぞ:どうして
【以前】いぜん:前文をうけるとき二ヶ条以上の項目がある場合に用いる
【夷則】いそく:陰暦七月の異名
【巳達】いたつ:既に一流に達したこと
【労敷】いたわし:ふびん・心配
【一宇】いちう:全体・在家の単位
【一円】いちえん:全部・総て・全体
【一行】いちぎょう:所領等の命令書や許可状・お墨付き
【一期】いちご:一生涯・生きている間
【一事】いちじ:一つの物・一事両様は事実と関係者の申立との間に相違のある事
【一途】いちず:もっぱら
【一上】いちのかみ:いちのおどど、左大臣の異称
【一倍】いちばい:現在の二倍
【違勅】いちょく:天皇の命令に背く罪
【一色】いっしき:ひといろ・一品・一式
【日外】いつぞや:さきごろ
【一所懸命】いっしょけんめい:必死、大事な土地
【去来】いで:さぁ・いざ・実に
【将々】いでいで:思い立つときの詞
【糸惜】いとおしく:かわいそう
【田舍九献】いなかくこん:濁り酒
【忌服】いみぶく:喪に服している期間・喪中
【違乱】いらん:@違法行為 A物事が乱れること
【違例】いれい:@前例に反すること A病気 =不例
【位列】いれつ:席次
【綺】いろい:干渉・口論
【立色】いろをたつ:叛く・怒る
【所詮】いわれ:理由・由緒
【無謂】いわれなし:理由がない
【引級】いんきゅう:ひきあげて授ける・ひいき
【殞亡】いんぼう:死亡する
う
【雨儀】うぎ:雨天の時に行なわれる宮中の略儀式
【請所】うけしょ:中世荘園を管理した職
【奉】うけたまわる:謹んでうける
【承引】うけひく:承諾する・したがう
【請文】うけぶみ:返事・引きうけたという文書
【請料】うけりょう:領家との間に請所としての最低保証契約を結んだ地頭・名主が領家に修める一定額の年貢
【烏滸】うこ・おこ:あほらしい・ばからしい
【有若亡】うじゃくぼう:ひどい・つまらぬ
【打聞】うちぎき:聞いた言葉・聞き書き
【打付書】うちつけがき:書簡に時候の挨拶を略してすぐに用件を書くこと
【米】うちまき:御所言葉
【鬱訴】うつそ:取られた処置に不満を感じて上へ訴えること
【洞】うつろ:一族・仲間
【兎毛】うのけ:筆の異名
【産土】うぶすな:人の生まれた土地
【浦山敷】うらやまし:羨ましい
【封裏】うらをふうず:文書等の裏に証明の裏書・裏判をする事
【破裏】うらをやぶる:裏書・裏判を破棄する
【羽林】うりん:近衛府の唐名
【烏乱・胡乱】うろん:乱雑の意から転じて怪しい事
【運上】うんじょう:上納すべき公物を京都へ運送すること
【云々】うんぬん:伝聞・省略のことば
え
【穢】え:けがれ・わるい・凶徒・騒乱
【営中】えいちゅう:将軍の居所、陣営
【穢気】えき:人の死などの不浄として神事に接近し接触する事を禁ずるけがれ
【依怙】えこ:@たよりとするもの、依り頼むこと
A頼るべき収入
【家釈】えしゃく:会釈と同じ
【似非】えせ:似て非なる事
【寃屈】えんくつ:怨恨や苦悩のために心が晴れないこと
【烟景】えんけい:銭五百文の称・禅僧の隠語
【淵酔】えんずい:酒を深く飲んで深く酔うこと
【淵底】えんてい:根本・全く・悉く
【塩味】えんみ:あんばい・相談
【寃陵】えんりょう:無罪の罪をきせて、ひどい目にあわせること
お
【負物】おいもの:背に負う物・負債・借金
【忝】おうけなし:大気なし・不相応な
【会期】おうご:機会にあう
【鞅掌】おうしょう:主宰する・自ら満足する様
【應鐘】おうしょう:陰暦十月の異名
【黄鐘】おうしょう:陰暦十一月の異名
【虚空】おうぞら:大空
【椀飯】おうばん:盛大な饗応
【相妨】おうぼう:正当な権利を持たない者が、実力を行使して他領内へ侵入し不当課税などの不法行為をする事
【大都】おうよそ:凡そ
【押領】おうりょう:力をもって他人の財産を奪いとる事
【大田文】おおたぶみ:国ごとの詳細な土地台帳
【大番】おおばん:@京都で禁中を警固する勤務
A鎌倉大番役
【大袋】おおぶくろ:盗賊
【大間書】おおまがき:除目などの時、任ずる官を書いただけの文書。行間に任官される人名を書き入れる
【大政所】おまんどころ:摂政関白の母
【大都】おおよそ:凡そ
【置文】おきぶみ:遺書
【嗚呼・烏呼】おこ:あほらしい・馬鹿らしい・馬鹿
【越度】おちど:過失・失敗・落命
【越階】おつかい:昇進の順序によらず、一度に階を超えて位が昇進すること
【越訴】おっそ:順序を経ずして直訴する事
【解頭】おとがいをとく:大いに笑う
【偽引】おびく:欺き誘うこと
【無覚束】おぼつかなし:はっきりしないこと
【慮外】おもいのほか
【以為】おもえらく:思うに・考えるに
【所念行】おもほす:おぼしめす
【折紙】おりがみ:料紙を横長に二つに折ったもの
【境節】おりふし:折節・とき
【御座】おわします:おわすの敬語
【御】おわす:いらっしゃる・居るの敬語
【募御勢】おんいきおいをつのる:御威勢をもとめねがう
【恩言】おんげん:情け深い言葉
【御事】おんこと:御逝去
【恩裁】おんさい:恩情のある裁決
【御大】おんたい:大将の略
【奉為】おんために:御為に
【恩地】おんち:勲功によって得た所領
【隠田】おんでん:かくし田
【御入】おんいり:御入来・来るの敬語
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