中世貨幣
   日本における国家的貨幣鋳造は10世紀に途絶え、再開されるまで徳川幕府を待つ
 事となります。ということで中世というのは国家的貨幣鋳造の無い空白期ということ
 にあたりますが、反面、貨幣流通が成立・発展するのはこの空白期の中世です。
   その国家的鋳造(皇朝銭)の代用として使用されるのが中国からの渡来銭です。

   その渡来銭が流入するのが平安末期から活発化した日宋貿易を通じてで、大量の宋
 銭が国内に流入されますが、これを媒体として本格的な貨幣流通が成立するには物品
 貨幣からの転換がありますが、例を出せば絹布の貨幣的交換機能の吸収を13世紀前
 期、米の貨幣的交換機能の吸収を13世紀後期とし、あらゆる「もの」の価値の統一
 尺度の確立を14世紀と見る説があります。

   中世の貨幣制度が成立する中、朝廷では宋銭が流入した際に私鋳銭として禁圧しま
 す。その後も朝廷・幕府において具体的な渡来銭の通用を示した法令は出されていま
 せん。中世貨幣の最大の特徴は、制度より現実の通用が先行している点です。
   そのことを考えればなぜ、中世の人々は宋銭を流通の媒体として受け入れたのか?
 その貨幣システムの本質に関してでさえ解明はされてはいません。

   個人的には東洋史的な大きな視点で考えなければ貨幣制度に関しては解明されない
 とは思いのすがね。

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