北方民族交易
   過去、北方交易に関しての書き込みはしましたが、アイヌを主とした書き込みはし
 ていなかったので、改めて視点を変えて見てみましょう。

   近年の研究の成果で一番驚くべきことは「えぞ」と呼ばれた北海道住民が、和人と
 の交流の中で漁労・交易を基盤に勢力を拡大し、道東のオホーツク文化を吸収してア
 イヌ文化を形成。13世紀にはサハリンに進出してギリヤーク人を圧迫、元帝国のサ
 ハリン遠征を引き起こした事実があります。
   しかも、アイヌの人々は元・明帝国側から「クイ」と呼ばれ両帝国と朝貢関係を結
 んでいました。
   これらの事を考えれば北方史をただの流通史とだけ捉えるのではなくて、中華帝国
 を中心とした東アジアの政治秩序の問題として捉えなければならないということにな
 りつつあります。

   そして、そのアイヌのサハリン進出の原因は和人との交易の活発化と、その結果に
 よる日本向け商品の増大−毛皮需要の増大がアイヌ人のサハリン進出を促したのでは
 ないかといわれています。
   逆に言えば、アイヌ人形成における和人の役割の増大。つまり和人との交流・交易
 によってアイヌ人が出現したということが解りますが、具体的に和人がどのように影
 響を及ぼしたのかは謎です。

   これまでのアイヌ史に関してはある差別的な思想により解明が遅れた点があります
 が自分が蝦夷生まれというわけではないですけど、アイヌ人の文化の高さ、歴史的役
 割の大きさが改めて見直されていくことでしょう。

目次へ戻る