伊勢神宮と第六天魔王
ここで面白い話を二つ。
尾張の僧・無住が民間説法のマニュアルとして造った「沙石集」には弘長年間に
自ら伊勢神宮におもむいた際に神主から聞いた話が記載されています。
・・それには伊勢神宮が仏法を口に出さず社殿に僧が詣でないのには深い訳がある。
太古の昔、この国がまだ無かった頃アマテラス大神は大海の底に自分の印である
大日如来の印文があるのを発見し鉾を下して探り上げられた。
その鉾の滴りが露を結んで国土を造ろうとしたのを、密教第六天魔王が遥か彼方
から見て「これはいかん。この滴りは国土となって、そこに仏法が流布し、人々は
みな来世を求めるようになるだろう」と憂慮して、これを潰そうとして第六天より
下ってきた。
アマテラス大神はこの魔王のたくらみを抑え、国土を創造しようと魔王に会い自
分が三宝の名を口に出さない、近づけないと約束し魔王を帰した。
故に伊勢神宮には僧が参らず社壇で経を持ち歩かない・・
もう一つは熱田神宮で造られた「神祇官私記」では第六天魔王が仏教が流布する
のを危惧して六万五千年統治し、アマテラス大神との(上記と同様の)約束と神璽を
得たとしています。
これらの事は伊勢神宮と云う天皇家に直結する神社に関しても本地垂迹説、中世
日本紀が中世13〜15世紀中に定着し、解釈を越えて神話創造をした事を示して
います。
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