紙背文書
紙背文書とは、記録や典籍等々を行う時に不要となった文書を筆録用紙として
再利用して、典籍類の紙の裏に残った文書の事をいいます。
この紙背文書の大半は典籍類を記した人物が、自分宛や職務上で入手した文書
を利用したのが殆どで、いったん反故とされた文書の為に紙背文書は日常的な情
報伝達手段である書状や、訴訟での口頭伝達で使用される訴状など短期間の情報
伝達を役割とする物や人が死ぬと不要になる動産に関わる文書を中心としており、
公家・武家・寺院相伝の文書が公文書や売券など法拘束力や権利の確認に必要と
される文書を中心としているのとは対照的な構成をしています。
平重盛など歴史上著名人の直筆の書状が紙背文書に多いのも、紙背文書の基本
的な性格ゆえと云えるでしょう。
紙背文書は、古くは正倉院文書があり、中世に於いては「兵範記」や「民経記」
などの公家の日記の紙背文書があり、当人宛の書状・記主の家政関係文書などで
構成されていて、これらの紙背文書群は高野山・東大寺などのが豊富な公文書を
もつのに対して、これを相伝していない公家や、滅んだ北条氏、東国の領主等の
家政システムや支配構造を解明するための欠かせない史料となっています。
また、紙背文書は仮名書きの女性の通常の手紙も多く、文学史や国語学の分野
でも検討すべき分野となっています。
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