09.九条家文書
九条家文書とは名前の通り、兼実からはじまる九条家に伝来する文書群の事で、古代・
中世の歴史資料に限れば約3000点にのぼります。
他に文学関係の消息類・近代大名の消息、近代村落の文書なども含んでいます。
古代・中世文書を大まかに分類すると
(1) 九条家歴代の譲状・遺戒・置文類、所領目録や家領惣体にかかわる文書
(2) 個別の家領関係文書
(3) 東福寺以下関係寺院文書
などに大別できます。
(1) の文書類は家祖兼実に始まり天正期に至るまでの歴代当主の内相当数が存在し、
摂関家としての家の理念、家経済の実体、家領惣体の動きを捉えることができます。
兼実の孫道家に全盛期を迎えた九条家領は統轄寺院を含めて約100箇所を越えて
います。
(2) の文書は九条家領荘園支配の内実を示すもので、道家以後、二条・一条の摂関家を
分立した後の50箇所余りの荘園を残すのみとなりその中でまとまった文書群を残した
荘園は数箇所に止まりました。
これらの文書の現存は直接支配が可能だったと云うことを示しており、「職の重層
化」の一具現だった荘園支配体制の変貌から直接支配体系への変化の中で、これら数
箇所のみの荘園しか支配出来なかったことを端的に示しています。
(3)の文書は最勝金剛院を始めとする20箇所余りの寺領関係の文書です。
これらの寺院は、九条家の折願寺や菩提寺・九条家の子弟の入寺した寺院・同女子
の入寺した寺院、九条家境内の持仏堂的寺院、それに東福寺塔頭などに分類できます。
これらの(1)〜(3)までの文書群は九条家の家理念や家経済の実態、公家荘園などの
動向などを総体的に研究できる好材料として現存しています。
◎所蔵 重要文化財と指定されている「皇嘉門院仮名譲状」と「九条兼実処分状」が天
理図書館に所蔵されているのみで、他は膨大な九条家旧蔵書とともに宮内庁書陵部に
一括して架蔵されています。
◎ 刊本 書陵部の文書は「図書寮叢刊九条家文書」全七刊として公刊されており、天理
図書館の二点は「平安遺文」に収録されています。
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