スクラブルの日本選手権大会は世界大会出場資格者選出試合としては今年で4回目を迎えました。91年8月東京アメリカンクラブで行われた第一回に比べると大会の規模は見劣りするものの、ゲーム内容は最近の各プレイヤーの技の向上もあって非常に盛り上がりました。ここ一、二年の向上は素晴らしいものだと思います。また、第一回大会では4人プレイでしたがそれ以後本大会は世界選手権に準じて2人プレイとなったので、関西の黒田さんも加わった第二回以降が実質的に日本一を競う大会になっているといえるでしょう。そして今回の選手権は、第二回(93年)、第三回(95年)と続けてチャンピオンになっている黒田さんにストップをかけるためにも皆頑張って日頃の力を発揮したいと思った大会であったと思います。
運も良かった
私が第一回世界選手権に出場したとき、BBCのインタビューでスクラブルの勝ち方を聞かれ、より多くの単語を覚えることと、ボード上の単語の組み合わせ・作り方の要領とを合わせて80%、残り20%は LUCK と思う、と答えたことを覚えています。このパーセンテージについては異論もあるでしょうが、今回の大会で優勝を勝ち取ることができたのはこの LUCK、つまりタイルの引き運が私の方に多かったかなと感じました。第一戦の松田さんとのゲームでは押されぎみの展開でしたが終盤で相次いで引いたブランクが2枚となり、これを同時に使って逆転のビンゴができ僅少差で勝ったこと、第四戦の黒田さんとのゲームでは先手で初回に ZORIL と置いてスタートできたたあと PYX、QI などの高得点を続けることができ、3手を済ませた時点で早々と100点を超えたこと、また、第五戦の田中恒さんのときは最終的にSが3枚、ブランクが2枚に加えて J、X、Z を引き、これらを有効に使う事ができたことはかなりラッキーだったと思っています。なお、黒田さんは現在最強のプレイヤーですので第四戦は非常に緊張しましたが、彼は引きが悪かったのか実力を出せぬまま私が大差で勝ったのは今までの同氏との対戦でも例がないことで、これは LUCK のためだったと考えています。
一方、日頃辞書を引いたりコンピューターと対戦したりして頭に詰め込んだ、スクラブルに有効な、変わった単語の活用も、忘れたりまたプレイ中になかなかとっさに思い付かないことがあるものですが、当日もこの点で何回か悩んだりしました。しかしこれとてその単語が作れるような手持ちタイルでないとできないし、特にビンゴを狙っている場合は「あと1枚」が揃うかどうかで LUCK が勝敗を分けた経験を誰でもお持ちでしょう。
ビンゴ
そのビンゴですがこの日私は6ゲームで5回と低調でした。最近はラックの上で7文字を完成させてそれを置くという形に加え、盤上にある文字に付け足して8文字、9文字またはできればそれ以上の単語を作ることに積極的に頭を使っていますが、それも1単語しか作れず(STEADILY)、不本意でした。まだまだ上記の「80%」の力が少ないと実感しています。ビンゴの回数では私より多い方がおられたのではなかったのでしょうか。
欲をいえば
相次ぐ強敵に勝ち進み5連勝のあと、ここまできたら全勝を、と思ったのですが最終戦の相手はこれまた関西の強者白崎さんで、ついに一敗してしまいました。理由は簡単です。作ったビンゴを自分でこの単語はなかった、と変な確信をしてしまい一旦置いたものを引っ込めて止めてしまったこと、そして白崎さんが作った実際にはない単語をチャレンジして消滅させなかったことの2つでした。前者のビンゴは CORRALS、後者の単語はGRAPHY でした。考えてみれば CORRAL は有名な西部劇 「OK牧場の決闘」(=GUNFIGHT AT OK CORRAL)の CORRAL(=農場などで家畜を囲うための柵)のことで、これを単に CORAL(=珊瑚礁)と勘違いして R2個はなかった、と思ってしまったこと、そして GRAPHY は なぜかありそうな単語の気がして一瞬チャレンジしなかったミスでした。この2つの動き如何ではゲームはどうなっていたかと思うと残念です。置いていたら....チャレンジすれば.... スクラブルの世界でも「たら・れば」のタイミングが勝負を分けてしまったというところでしょう。
ところで GUNFIGHT は良いビンゴ例になるかもしれません。なぜならこの単語は8文字なのに母音が2つしかなく、ビンゴを作れるかなと ING を持っていながら(またはそれに加えてブランクも持っていて)母音が少ないときにチャンスが訪れるかもしれないからです。
残念なこと
全勝を逃したということは別にして、スクラブルというあまり一般的ではないゲームとはいえ日本代表を選ぶ大会に十数人しか集まらなかったのはいかにも淋しく、残念なことです。第一回大会では24名もが競ったのでその後プレイヤー人口はどんどんと増加するものと期待しているのですが伸びがありません。より多くの方々がプレイするよう、月例会のメンバー各位でもっと呼びかけを行ってゆくよう努力をしたいと思います。
以上大会を終わって気がつくままに記しました。
