清盛行大威徳法 附行陀天 並清水寺詣事
(きよもりだいとくのほうをおこなう つけたりだてんをおこなう ならびにきよみずでらもうでのこと)



清盛が繁栄したのには理由があった。

彼は幼少のころ、中御門家成のもとに居候していたが、家成の元に、大納言阿闍梨祐真という真言師がいた。清盛は彼に在家の者でも利益を被れる秘法を問うたところ、天子の位に昇るできる、五大明王のその一の大威徳の法を紹介された。

清盛は7年間美味美酒を断じて勤行に励んだところ、道場の上より、

つとめんと思ふこころのきよもりは花はさきつつ朶(えだ)もさかえん

という声がしたので、益々修行に励んだのだが一向に裕福にならないので疑問に思っていたところ、蓮台野で行った狩りに狐が掛かった。清盛が射ようとすると、狐は黄女に変化して、望みをかなえるから助命するように言う。清盛はこの狐が七十四道中の王の貴狐天王である事を察知して下馬し、屈したところ、女は元の狐に戻って逃げた。

清盛は貴狐天王が福徳の利益のある弁才妙音の1つであることを考え、陀天の法をすべきであると悟った。陀天の法は子孫までその利益が伝わらない外法である事を心配したが、かまわず1千日間清水寺に詣でたところ、満願の日の夜に目が抜ける夢を見た。 過分の願いに罰があたったかと心配した彼は、夢のことを立て札に書いて清水寺の大門の前に置き、夢の善悪をしてもらうことにした。

3日経った後、ある男が、目が出るのは字の通り目出たいという意味に通じ、替って吉事を見るための目を入れた吉夢であると解釈した。それを聞いた清盛はいい気分になり、吉報を待つことにした。



この回のキーワード・だきに天法と狐、夢

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