熊野山御幸事
(ゆやさんごこうのこと)
平城法皇、花山法皇、白河法皇は五回。堀川天皇は一回。鳥羽法皇は八回。後白河法皇は本宮三十四回、新宮・那智は十五回参詣なされた。
今回のキーワード:熊野三山…熊野は本宮・新宮・那智の三個所にまたがって存在し、参詣者は、八十八個所ある「王子」を巡礼しながら三山を参詣しました。
熊野詣…熊野の熊は「クマ」。つまり陰の地。陰のパワーが秘められた地でありました。院政期における、かの地への巡礼は本文にあるように大変盛んでした。『愚管抄』にもその様子が描かれています。現在でも大変な時間と労力を費やすわけですから、後白河法皇の三十四回という記録から察すると、まさに「熊野狂い」といった所でしょうか。事ある度に行っていたのでしょう。
この熊野詣では院政期を過ぎると落ち着きを見せますが、熊野比丘尼や先達といった人々が各地に熊野の御利益を遊説していったので、衰えることはありませんでした。「樹陰読書」に挙げた『くまののほんち』もそうした布教用に使われたテクストなのでしょう。
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