全十二巻で一巻を十の句に分けているので、計百二十句になるところからの命名です。
平家物語の語りには、全巻をぶっ続けに演唱する「一部平家」と、任意の一巻のみを演唱する「巻平家」という二つのやり方がありました。
近世初頭に成立した当道の書『西海余滴集』には、一部平家の句立てについて、「三十日に百二十句語り勤む。口伝を可被受」とあります。しかし、室町時代において、同じ一部平家の書であった屋代本に代表される句立てはもっと流動的で、場合に応じて変化していました。そこから、「三十日に百二十句語り勤む」という百二十句本はいつ頃の成立か自ずと、同じく一部平家の書であった屋代本の流れを汲む本でありながら、その成立年代は自然と下らざるをえないといえるでしょうし、いまひとつの「口伝を可被受」ということは百二十句本が当道の中で様式化されたものであるという事を示唆しているのではないでしょうか。
●入手の仕方
新潮日本古典集成の平家物語がこの本に相当します。
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