問
元三(元旦)の日に屠蘇白散の酒を呑むということがあるが、屠蘇とはどんないわれで名づけられたのか。
答
この事は『医心方』『金谷園記』などという書に書いてある。屠蘇とは草庵の名前である。昔、草の庵住んでいた人が、その葉を里の人の元に送って、大晦日の日に井戸の中に浸し、元日に取り出して酒樽に浸してこれを飲めば、その年は病気に冒されないようになるといわれる。一人が飲めば一家病なく、一家が飲めば一里病なしという効能がある。
また屠蘇をまず小児に飲ませよいうが、それは小児は年を得て、老人は失うというからである。東坡(蘇軾)の詩にも、
「不辞最後飲屠蘇」
とある。この事によって、禁中の御薬にも薬子(くすりこ)と名づけて、童女に御生気の色の衣を着せて、御前に召され、屠蘇の酒を飲まされた後に帝のお供をすることにしている。
白散とは五色の薬をつき振って、二杯目にこれを共にする。効能は大方屠蘇と同じである。これを一寸四方の匙で掬って酒に入れる。また、度瘴散というのは、九種類の薬をつき振って、三杯目にこれを共にする。山川から発生し病気をもたらす瘴気を除く薬である。これは一銭の茶匙で掬って、酒にいれて呑むのがよいと見える。
元三とは年・月・日の三つのはじめ(元)ということで、元旦のことです。
それにしても、子供の時、御屠蘇を無理矢理飲まされていたのですが、
こういういわれがあったのですね。
飲ませた人達が知っていたかどうかは知りませんが。
さて、白散(びゃくさん)に使われた薬ですが、
白朮(ビャクジュツ…朮(おけら)の若い根の外皮を剥いたもの)・桔梗の根・細辛(ウスバサイシンの茎や根)を等分に調合したものだそうです。