はちたゝきの事(十二月)
問
鉢叩きが歩き回るのはどのような謂れが有るのか。
答
この事についてはまったく根源を確かに申すことは難しい。醍醐天皇の皇子で足が不自由であった方が、鉢叩きの先祖となられて、その考養の為とか。まことにはっきりとしない。蝉丸を盲人の先祖として、醍醐天皇の御子というのも確証の持てないことである。これをもってこのことを思うと、証拠がはっきりしない以上私たちがどうして定めることができようか。
鉢叩きはもともと代行して寺社に廻る下級の僧侶であったといわれています。中世においてこの鉢叩きをする人々は貴族の日記に声聞師(唱門師)と記されることになり、彼らは雑芸能の徒として様々な芸能に従事していました。
また、ここにもあるように職業の謂れや先祖がいわゆる「由緒書」として、その多くはまったくの嘘ですが、創られることが多く、例えばこの声聞師を先祖とする幸若舞は桃井氏を先祖とする由緒書きが創られていました。
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